New 睦郎's Room

 中村睦郎の吹奏楽奮戦記
2008/06«2008/07 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2008/08
     
旅に出ている途中に敬愛するチェロ奏者のムスティスラフ・ロストロポービッチ氏が亡くなられた。

僕が始めて氏の演奏に出会ったのは大学に入って間もない頃である。
曲目はカラヤン指揮ベルリンフィルとのドボルザーク/チェロ協奏曲(1968年録音)。
10代の僕はスケールの大きな演奏に只々圧倒された。

それから10年くらいして日本管打楽器コンクールユーフォニアム部門の2次の課題曲にJ.Sバッハ作曲の無伴奏チェロ組曲が選ばれ、バッハを勉強する過程で再び氏と再会することとなる。自身初の全曲録音となった「バッハ/無伴奏チェロ組曲」の二枚組CDは当時かなり話題になったと記憶している。
他にもヨーヨーマやマイスキーの演奏も聴いたが、自分にはロストロポービッチの演奏が一番しっくりと来た。
数限りなく聴いたせいで、演奏の繰り返し部分での一回目と二回目の微妙な音程やニュアンスの違いなども聞き分けられる程になった。
彼のバッハからはどれ程たくさんの力をもらったか計り知れない。

その後少しして、ロストロポービッチ指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団がショスタコーヴィッチのチクルスをすると言う企画が有り、歌劇「ムチェンスク郡のマクベス婦人」のバンダパートで定期にのせてもらえることになった。
すみだトリフォニーのバルコニーから見た彼の姿はとても大きく、リハでは弦楽器のパートにまるで子供に手ほどきをするかのように指示を出す姿が印象的であった。
これが僕にとっては最初で最後の彼との「共演」となった。

それからはブラウン管からだったが、度々目にする彼の演奏やドキュメントからは多くの示唆を受けた。あれほどお元気そうだったのに・・・。

今日の朝日新聞文化面には「史上最強のチェリスト」〜ロストロポービッチ氏を悼む〜と言う見出しで音楽学者の一柳富美子氏の追悼記事が掲載されていた。
旅から帰る途中の飛行機の中で何度も読み返した。

奇しくも同じ朝日新聞に小澤征爾氏のウィーン国立歌劇場への1年5ヶ月ぶりの復帰公演成功の記事も載っていた。ちょうどこの公演の日(29日)はモスクワでの葬儀の日と重なっていたとのこと。小澤さんは親友の死に祈りの気持ちを込めて演奏したそうである。
記事を読んで、1996年、親友の武満徹氏の死に際しサイトウキネンオーケストラ松本公演での武満徹/「マイウェイ・オブ・ライフ」の演奏後の小澤さんの表情を思い出し涙が出た。

【ロストロポービッチ人生の祭典】
http://www.sokurov.jp/

人気blogランキングへ今夜はバッハの無伴奏チェロ組曲がずっと流れています
レクイエムのように感じられるのが不思議です

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